時代に変遷に伴って変化する結婚のカタチ

○時代の変遷にともなって変化する.優位個体」の物窪し現実の社会では、そこまで極端な変化は見られませんが、それでもそれ相応の変化は起こり始めています。相性が合う結婚相手をでみつければ、夫婦間に問題が生じて解決するためにここに書いたような大変なことをしないで済むかもしれません。たとえば現在のアメリカは、太った男性は企業では出世できない社会になっています。とにかくスリムで、しかも筋肉質でなくてはならないという難しいことを要求されるようになった社会なのです。日本にもそうした傾向は徐々に伝わりつつあります。日本ではかって、栄養を十分にとっていることが貴族階級の特徴であり、同時に社会的な優位個体の象徴でもありました。たとえば、高松塚古墳の美人画や平安時代の「源氏物語絵巻」に登場する女性など、顔は下ぶくれで、どちらかというとオカメに似ており、今日の基準からすると、けっして美人とは言えない顔をしています。しかし、その当時は、色が白くて太っているのが美人の条件だったのです。一方欧米でも、十九世紀から二十世紀初頭にかけて労働運動のポスターは、三つ揃いの背広に身を包んだ、でっぷり太って貫緑(かんろく) のある資本家を、やせて筋肉の引き締まった労働者がハンマーで叩きのめしている絵柄のものが典型的でした。ということは、当時は太っていることが「優位個体」であるための条件だったのです。ところが、いまでは太っていることは、けっして経営者や権力者がそなえておくべきスタイルではなくなっています。

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